テレビの漫画とかを見てると、新しいヒーローが次々に出てくる。しかし、オレらのヒーローは月光仮面だよな。後で知ったことだけど、あのかっこいいオートバイは50ccの原付・・・悪漢は俳優でなくて関係会社の社員・・・だったらしい。そんなことはどうでもいいんだ。
家の近くで映画の撮影があった。もう昔のことではっきりとは覚えてないんだけど、「壊れてる橋をオートバイでジャンプするんだってよ」「真ん中がないのかよー。すげー」などと友だちと話した。もちろん見に行った。「松島〇〇子かわいかったぜ」という聞いた。しかし、オレは見てないような気がする。何をしてたんだろうか。たくさんの人が集まっていた景色の記憶はあるんだけど・・・。
今でも、「どーこのだれかはしらないけれど、だれもがみーんなしーっている・・・・」のメロディーは耳に残っている。 あの頃の日曜日、テレビの前に正座していた自分にも、タイムスリップできる。 この歌をよく歌っていたのだが、人に話すことのなかった疑問で悩んでいた。「何処の誰かは知らないけれど、誰もがみんな知っている」・・・誰かさんは知らないけれど、みんなが知っている・・・矛盾してるじゃねえか!
これが解決できたのはかなり大きくなってからだ。 誰もこの疑問を持っていなかったらしい。 「野バラ」の「あかずーながーむ」を「赤砂 噛む」と解釈して、植物がどのようにして砂を噛むのか・・頭の中では根が土を握りしめているような映像が流れていた。幸せな少年時代だ。