採用試験は受けたものの、「合格」の内定はもらえなかった。 また次の年の試験を受けないといけないとは思った。 まぁ先のことだし・・・・全く就職のことは忘れていた。 これからどうしたものか考えていた4月のはじめ、突然の電話があった。
「明日の10時に面接をします。 〇〇市までおいでください」 でした。 「エッ? オレねー、1000Km以上離れているんだよ。 おまけに、今は夜の6時だよ! どうやって行けって言うんだよ。 住所見ろよ!」って思ったが、状況を説明して一日延ばしてもらった。
それから、徹夜で荷物を整理した。 とりあえず自分の荷物をバッグ一つにまとめて翌日の列車に乗った。 朝、駅に着いてから・・・理容院で長髪を切り・・・写真屋で証明写真を撮り・・・面接を受けた。
「勤務地は〇〇町〇〇です」・・・しかし、どこか全く分からない。 時間をもらって本屋さんに行き、地図を買った。 「3時に港から船が出るから、それに乗って・・・」 「島じゃないじゃん。 陸続きなのに、なぜ船に乗るの?」 「道路がまだできてないのです・・・断るなら今ですよ」
浪人もしたし、あまり親に迷惑はかけられないので、「はい」と返事をした。 「臨時講師」だったから、パートタイムくらいだろうと考えていた。 週に三,四時間くらい働いて、あとはどう過ごすかな・・・って軽く考えていた。 しかし、職場での会議の中で・・・・
「エッ? 授業は免許教科(学年4時間✕3学年)と免許外教科(学年3時間✕3学年)で週21時間・・・フルタイムじゃん!」 これから私の職業人生が始まった。
私はこのとき乗った列車がなんだったのか・・・思い出せないのです。 「高千穂」ではない。 「富士」かな・・・と思っていたのです。 しかし、「富士」では午前中に着かないのです。 新幹線と夜行特急の乗り継ぎだったのかもしれない。 「彗星」かなぁ・・・・