「オマエなぁ・・・2年生の時にオレの目がギラギラしてただろ」
「?」
「あのとき、米を買う金がなかったんだ」
久しぶりにNと会ったときに、そのことを聞いて驚いた。
よく聞くと
入学したときには両親は他界していた。 家からの仕送りはなし。 奨学金とアルバイトをしながら通学していた。 金がなくて銭湯に行けなかった。 それで、冬でも学校のシャワー(水)で済ませていた。 あまりに冷たいので、タワシで身体をこすっていた。 たまの銭湯でもタワシでこすっていたら、声をかけられた。 その人は卒業生で「塾をやれ、場所はオレのところを使え」と言ってくれた。 必死に教えて、安定した生活費を得ることができるようになった。
「そうか・・・オレは家から通って楽をしていたのに・・・」
それから、Nは大学院に行き、 大学教授になっていた。
「弟がいただろ?」(兄弟で入学していた)
弟は医学部に入り直して、大学教授になっていた。
「すごい苦労はしたが、いろいろなところで多くの人から助けてもらった。 金をもらったんじゃないぞ !」
私は彼が中心になって活動していた「ウエイトトレーニング」同好会に入っていた。 彼は合気道、空手道まで手を伸ばし、電話帳を引き破る人だったから・・・ まぁ「普通の人」ではないと思っていたけど・・・